海外でも国内でも、D/H(便乗)という勤務がたまにあります。
これまでも何度かD/Hのお話をした事があると思いますが、パイロットやCAはD/H(デッドヘッド)で飛行機に乗っている事があります。
D/Hとは、「死んだ頭」と言う意味です。
制服の上にジャケットやカーデガンを着てお客様と一緒の客席に座っています。
CAの場合は制服のまま乗っている事もありますね。
国際線だと、お客様と同じ機内食を頂いています。
何故、そのような勤務があるのか説明します。
理由は様々ですが、まず、1つ目はパイロットは基本的に1つの機種しか乗れません。
航空会社は様々な機種を保有していて、B(ボーイング)737,767,777,787やエアバス320,350、DHC8、ATRなどがあります。
どこの路線も一日に数便〜数十便飛んでいますが、全て同じ機種ではありません。
例えば、地方発の朝イチの便がB737だとすると、B737のクルーは前日の夕方までにはホテルにチェックインしなければなりません。
しかし、その日のお昼の便が全てB767の場合、B737のパイロットはB767は操縦できないので、D/Hで現地入りするしかなくなります。
大体、最終便がB737であれば、翌日の初便は同じB737で飛ばしていますけどね。
しかし、乗る機材がなければD/Hが発生します。
どうしても機材繰りやダイヤの関係で発生する事があります。
CAの場合はどの機種でも乗務ができますけどね。
2つ目は、東京居住のパイロットの場合、例えば乗務する便が大阪発の便だったとします。
そうなると、東京から大阪までD/Hで移動しなければなりません。
3つ目は、勤務時間やFLIGHT時間の関係でD/Hとなる事があります。
パイロットやCAは一日の乗務時間、月の乗務時間、年間の乗務時間が決められています。
もちろん勤務時間もそうです。
もし、お天気が悪かったり、機材故障などで遅れ遅れで到着した場合、翌日の勤務開始時間までのインターバルが短くなると翌日のFLIGHTが出来ないので、D/Hで帰る事もあります。
とにかく、時間に関しては厳しく決められています。
そして、逆にD/Hで別CREWに来てもらったりします。
STAY先で体調不良者が発生した場合も同じです。
また、これは滅多にありませんが、万が一、EMERGENCYが発生した場合はその後の勤務はせず、D/Hで帰ります。
大体は、この3つの要因でD/Hが発生しています。
D/Hは勤務時間に入るので、お給料が発生しています。
たまに、D/Hで行くだけとか、帰るだけというラッキーな勤務もありますけどね。
皆さんも飛行機に乗られた際に、パイロットやCAさんが乗っているのを見た事がありますよね?
一応、お客様に気を遣って乗っています。
マニアの方に話しかけられる事もありますけどね!
しかし、国内はFLIGHT時間が短いので良いですが、国際線のD/Hだと大変そうですね。