今日は年に1度の「エマ訓」に行った旦那です。
「エマ訓」とは航空用語で「エマージェンシー訓練」の略語で、緊急保安訓練の事です。
航空会社では、年に1度乗務員全員がエマ訓を受けることが義務付けられています。
パイロットとCAが合同で行うのですが、メインはCAです。
パイロットはコックピットでパイロット役をする人もいますが、ほとんど客席でお客様役をしています。
CAにとっては、年に1度のエマ訓ががとても嫌です。
何故なら、セリフを覚えないといけないからです。
お客様からしたら、「当然でしょ!」と思われるかもしれませんが、確かにCAは保安要員の為に乗務している訳ですから出来て当然です。
訓練は飛行機のキャビンの模型(モックアップ)で行います。
モックアップの中は本物の飛行機と同じような座席、オーバーヘッドコンパートメント、インターフォンシステムが装備されていて、実機と同じように訓練できます。
緊急事態が起こった時の流れができるかの訓練ですが、例えば、着水だったり、エンジン火災だったり、オーバーランだったり、胴体着陸だったり色々なパターンがあります。
毎年想定されるシナリオは違いますが、最後は緊急脱出になるようなシナリオになっています。
ドアが開かなかったり、外を見たら火災が発生していてそのドアは使えなかったり、車椅子のお客様が搭乗されいたり、様々なシナリオの中でCAは臨機応変に対応します。
お客様へのアナウンスやコックピットとのやり取り、お客様の誘導がスムーズに行えるかです。
また、お客様に非常口を担当してもらいますが、そのセリフを覚えておかなければなりません。
なので、CAは名演技をする訳です。
そして、最終的にお客様を全員緊急脱出させるという訓練です。
今はどのような訓練をされているのか分かりませんが、旦那に聞いても「何が大変なのか分からない」と興味がなさそうでした。
パイロットの皆さん、そんな感じでCAを見ているんですか!!!
めちゃくちゃ大変なんですよ!!!
パイロットが何人も乗客役をされているのですが、乗客役は良いですよね。
座ってるだけですから。
中には意地悪いキャプテンがいて、迷惑な客のフリをしてワザとCAに絡んだり、緊急脱出の際にあえて大きな手荷物をもって脱出しようとしたり、パニックになってCAの言うことを無視する人を演じたりする人もいます。
本当に緊急脱出の場面になったら乗客全員が乗務員の指示通りに動いて下さる訳ではないと思いますが、そういう事を訓練でやったら嫌われます(笑)
と言うか、CAの立場からすると嫌です。
ちなみに、旦那はそういうことは一切せずに黙って見ていたそうです。
でも、パイロットもCAさんがキャビンで何をしているのか知っておかなければならないと思うんですよね。
その為にパイロットと合同で訓練をやっています。
旦那はCAさん達が必死にやっているのを見て、「今回は比較的にスムーズにやってたけど、本当に何か起こった時にできるのかな?」と思ったようです。
確実に出来なければならないので定期的に訓練をしているんですよ!!!
でも、そう感じる事も大切ですよね。
実際にモックアップについている緊急脱出用のスライドも滑ります。
なかなか大変な訓練でしょ!
すべての航空会社の乗務員は、ほとんどの人が一生経験しないであろうことを1年に1度訓練しているのです。
パイロットの方々も定期的に訓練がありますし、年に1度審査があります。
こうやって、パイロットもCAも何が起こってもいいように日頃からしっかり訓練をしています!