今日は航空大学校の寮生活についてお話しします。
航空大学校は全寮制です。
なので、20歳頃から共同生活をしなければなりません。
結論から言うと、旦那は「もう二度とやりたくない💦」そうです(笑)
航空大学校は4つの課程があり、宮崎座学課程、帯広フライト課程、宮崎フライト課程、仙台フライト課程があります。
それぞれの寮生活がどうだったのか、パイロットの旦那に聞いてみました。
なかなか航空大学校の寮生活の話を聞く機会ってないですよね❗️
旦那が学生だった頃と今とでは若干違いがあるかもしれませんが、当時のリアルな寮生活を皆さんに紹介します。
Table of Contents
航空大学校の寮はどこにあるの?
宮崎本校、帯広分校、仙台分校の3カ所です。
帯広分校は空港のターミナルの横、宮崎本校と仙台分校は空港の旅客ターミナルから滑走路を挟んで反対側にあります。
それぞれの課程での寮生活について
①宮崎座学課程
まず、入学したら座学課程です。
宮崎フライト課程の先輩と同じ部屋になります。
入学まで家族以外の人と同居したことが無い人が大半だと思いますが、そういう人は初めて他人と同じ部屋で住むことになります。
しかも、今日会ったばかりの先輩と入学したその日から一緒に生活することになります。
それが、かなり苦痛だったそうです。
そして、当然ですが当たり外れがあるそうです(笑)
旦那は優しい先輩と同じ部屋だったようで「当たり」だったと言っていました。
部屋の相方はどうやって決めているのか気になるところだと思いますが、航空大学校には「系列」という縦割りの班があり、同じ系列の班の先輩と同じ部屋になります。
自分達が先輩になった時は名簿だけ見てテキトーに決めていたそうです。
フライト学生は色々と準備が必要だったり、睡眠が必要なので、それを邪魔しないように過ごす必要があります。
いわゆる下積み生活です。
4~5か月程度なので徐々に慣れてはいくそうです。
一番大事なことは「できるだけ部屋にいないこと」だそうです(笑)
じゃあ、どこで何をしているの?って話ですよね。
同期みんなで自習室に逃げ込んでいたそうですよ。
たまに、先輩とフライトの話をしたり、部屋でお酒を飲んだりすることもあるそうです。
部屋での飲食はできますが、匂いや音が出るので先輩に気を遣って食べなかったそうです。
②帯広フライト課程
帯広フライト課程は、同期と一緒の部屋になります。
部屋の同期が同じフライトの班とは限りません。
部屋は宮崎よりも少し狭かったそうです。
宮崎座学課程では先輩と相部屋だったので気を遣いますが、そういう気は遣わなくてよくなります。
同期との初めての相部屋なので宮崎座学課程よりも仲良くなるそうです。
③宮崎フライト課程
宮崎フライト課程では、今度は先輩として座学生と一緒の部屋になります。
その頃は、自分が座学生だった時のことは忘れて普通に過ごしていたそうです(笑)
④仙台フライト課程
仙台フライト過程では、また同期と一緒の部屋になります。
2年近くずっと一緒に住んでいたので、全く気を遣うことはなかったそうです。
そういう意味では、仙台課程が一番楽しい寮生活だったそうです。
しかし、就職活動と卒業試験があったので一番忙しかったそうです。
宮崎過程で遊んでいた人も仙台課程では遊ぶ暇は無いくらい、必死に勉強していたそうです。
寮費
寮費は学費に含まれており、食費は実費です。
寮の設備
男子寮と女子寮があります。
どの課程でも同じですが、食事は食堂で時間が決まっていて、風呂(大浴場)・トイレは部屋に無く共用です。
また、グラウンドがあり野球やサッカーなどもできるそうです。
仙台分校にはテニスコートもあったそうです。
お部屋
シングルベッド2つ、もしくは2段ベッドで、1人ずつ机と椅子・本棚・電気スタンドがあります。
また、LAN回線、エアコンは完備されています。
冷蔵庫は共用で、電気ポットを持って行っている人が多かったそうです。
実は、航空大学校の寮を見学に行った事があります。
2人部屋で2段ベッドになっていて、かなり狭かったです。
しかも、男2人で生活って大変そうだなと思いました。
女性部屋は一番奥にあり、男性部屋とは雰囲気が違って良い香りがしました。
女子のお部屋って感じでした。
お風呂
男性用と女性用のお風呂があります。
食堂
家庭的な料理が多く、特に人気のメニューはカレーだそうです。
洗濯室
洗濯室には洗濯機や乾燥機、アイロン台があります。
無料です。
自習室
部屋以外、自習室でも勉強ができるそうです。
主に座学生が使っていたそうです。
特に宮崎で座学生の頃は、先輩が部屋にいるので、よくみんなで自習室に集まって勉強していたそうです。
図書室
操縦に関する本や国家試験用の本が置いてあります。
談話室
夕食後などに同期全員が集まって情報交換したりミーティングを行っていたそうです。
CPT室
体育館・ジム
各校舎に体育館があって、筋トレができるようなマシーンが揃っていたそうです。
当直室
電話の取り次ぎや清掃、寮内の状況把握などを行うそうです。
自転車置き場、駐車場
車は持って行っても良いそうです。
航空大学校の周辺に飲食店やスーパーマーケット、ショッピングモールなどないので、あると便利です。
同期で車を持っている人がいたので、乗せてもらって買い出しに行ってたそうです。
どのようなタイムスケジュールだったのか?
起床時間、消灯時間は決められていません。
門限は一応?あるそうです。
警備員の人が門を閉めて施錠する時間で22時か23時だったそうです。
外出は空いた時間であれば自由ですが、平日は忙しいので外出する人はほとんどいなかったそうです。
食事の時間は決まっていて、お風呂は自由に入れるそうです。
電話は特に制限はなかったそうです。
土日などの休日は何をしていたのか?
航空大学校の訓練は土日・祝日がお休みです。
お休みの日に何をしようが個人の自由だそうです。
そこは良いですね。
なので、同期と旅行に行ったり、デートしたり、飲みに行ったり、スポーツをしたり、帰省したり、みんな普通に休日を過ごしていたそうです。
恋愛禁止ではないようです(笑)
ただ、日曜日の夜は月曜日のフライトの準備を必死にしていたそうです。
寮に持って行った物
着替え、勉強道具、パソコンのみだそうです。
車がある人は車を持って来ていたり、スポーツをする人はサーフボード、ラケット、グローブ、ボールなどを持って来ている人もいたそうです。
常識の範囲内で持っていく物は自由です。
ちなみに旦那はグローブを持って行ったそうです。
寮生活のメリット(楽しかったこと)
寮生活のメリットは「特に無し」だそうです。
ただ、いつも誰かがいるので、訓練で困ったことや分からないことを聞くことができたり、誰かと話しができることは良かったと話していました。
きっと、寮生活でなかったら付いていけなくて落ちこぼれになってしまう人も多かったんじゃないかと言っていました。
なので、仕方がなく寮生活をしていただけで「その時」には特に良いことはないと思っていたそうですが、結果的には同じところで24時間一緒に生活した同期は家族のような関係性を築く事ができたので、それは貴重な経験だったと後々そう思えるようになったそうです。
なかなか経験できないことなので、「貴重な経験だった」と話していました。
寮生活のデメリット(嫌だったこと)
プライベートの一人の時間が少ないことと、タイムスケジュールに沿って生活しなければならなかったので、自由に生活できなかったことは大変だったそうです。
先輩・同期・後輩の中には合わない人もいるので、人間関係がストレスにある人もいるそうです。
航空大学校の時のお小遣いは?
人によるそうです。
旦那は親に仕送りしてもらっていたので少なかったそうですが、ほとんどお金を使う事はなかったそうです。
奨学金の制度もあります。
アルバイトは?
在学中、アルバイトをしている人は見たことが無いそうです。
アルバイトをする暇は無く、物理的に無理だそうです。
課程と課程の間の帰省期間が長いと、その期間で地元で短期のアルバイトをしている人はいたそうです。
まとめ
航空大学校の2年間は全寮制です。大人になってから集団生活をすることは大変だと思いますが、そこで学ぶことも沢山あったと思います。パイロットは協調性や責任感、自己管理能力、チームワーク、円滑なコミュニケーション能力などが求められます。そういった人間性を磨くためにも必要な期間なのかもしれませんね。
旦那も「その時は気が付かなかったけど、今思うと必要な期間だった」と話していました。なんと言っても同期との関係性を築き上げることができるので、大変な訓練も協力し合って一緒に乗り越えることができたのでしょうね。今でも同期とは家族のように仲が良いので、寮生活は良い経験だったと思います。
ただ、「フライトが好きとか、パイロットになりたい」という気持ちがない人は続かないかもしれないと旦那は話していました。
しかし、集団生活は色々と面倒だったので「もうやらなくていいかな〜」と旦那は言っています。
とにかく2年間でパイロットのライセンスを取得しなければならないので、勉強が大変なのでしょうね。学校で勉強して、また寮でも勉強して・・・。
それができなければパイロットにはなれないってことですね。
航空大学校を目指している皆さま、将来の夢に向かって頑張って下さいね。
応援しています!