【客室乗務員の訓練のお話】座学編⑤「挨拶・笑顔・美しい言葉について」

飛行機からの写真 航空業界の裏話

人生のストーリー「客室乗務員の訓練 座学編」が久々となってしまいました。
前編では、客室乗務員の身だしなみの基本についてお話しました。

今回は、「挨拶・笑顔・美しい言葉」についてお話します。
みなさんは、自分磨きをどのようにしていますか???

お客様を上手におもてなしすることは結構難しい事です。しかし、それができた時の喜びは大きいものです。お客様に対する客室乗務員の対応がどれだけ重要か認識し、お客様に満足して頂けるように努力しなければなりません。

接客の基本は、すべてのお客様の立場に立って考える事が大切です。

では、自分磨きについてどのようなことを学んだか紹介しますね!

まずは挨拶から

挨拶は簡単なことで、基本でしょと思うかもしれません。なんでそんな当たり前の事ができないの?って思いますよね。
しかし、こんなことありませんか?
ついつい考え事をしていてすれ違った人に挨拶をしなかったとか、何か嫌なことがあって笑顔なく挨拶したとか、声が小さくて聞こえなかったとか・・・。

私もこんな経験があります。
挨拶しても他の人と話しをしていて気付いてくれなかったり、無表情で顔も見ず会釈だけだったり。挨拶しても完全に無視する人もいます。仲が悪いわけではないですよ、その後は普通にお話ししますし。相手も考え事をしていて全く気付かれていなかったり、いろんな場面を経験したことがあると思います。気にしない性格の人はいいかもしれませんが、私は気になる性格なので挨拶を返してくれないと、1日中、気になります。
自分では出来ているつもりでも、意外と自分では気付かないものです。挨拶ひとつで、相手が不愉快になったり気分を悪くしたりするのです。
自分の体調が悪い時でも、努めて笑顔で挨拶できるようにしたいものです。

訓練生の時はペコペコしてましたね(>_<)
「お疲れ様でございます」って、すれ違う人みんなに挨拶していました。

まず、日頃「お疲れ様でございます」とか言わないですよね。
すごく、はじめは抵抗がありましたが、だんだん慣れてきます。
お嬢様育ちの人ならできるような言葉使いを田舎で育った私でもできるようになったのですから。言葉使いも日頃から意識していかなければお客様との会話がスムーズにできないんです。

まずは、「おはようございます」「ありがとうございます」「申し訳ございません」「お先に失礼いたします」などの基本的な挨拶が上手ができなければなりません。
ただ口にするのではなく、心から相手に伝えます。

<挨拶のポイント>
・相手の目を見ること
・常に積極的に自分から行う
・相手に合った挨拶をする
・声はできるだけ大きく、明るく、元気よく

この4つです!

挨拶の心得は、
(明るく)、(いつでも)、(先に)、(続けて)
あ・い・さ・つです!

笑顔を忘れない

目は心の窓と言われるように、表情は心を映す鏡です。女性を最も美しく見せるものは笑顔です。
自分の最も美しい笑顔、その笑顔が最も美しく見える角度について練習し、日頃から何度も鏡を見る習慣をします。

FLIGHTの時は、制服のポケットに小さい鏡を入れていました。これは、入社した時に持ち歩くものの1つに入っていました。1日何回、自分の顔を見ていたか・・・。
仕事を辞めた後も鏡を見る習慣が離れず、自分の顔がとっても気になって落ち着きませんでした。

笑顔は人を心地よい気持ちにできる唯一の武器です。
また、笑顔でいることが自分自身の内面を明るくさせてくれます。
きつい時こそ鏡を見てにっこり(^_^)/

客室乗務員は、いつも笑顔でいなければならない仕事です。
私が仕事を辞める時に、この仕事のいいところは「いつも笑顔でいれるところ」だと思いました。
どんなにきつくても、嫌なことがあっても、必ず笑顔でお客様の前に立つわけですから。
こんなにいい仕事はありません。

<笑顔を作るポイント>
・口元にポイントをおく
(唇の両端に少し力を入れるという意識をすると上品で自然な笑顔が出るようになります。)
・目で笑うように心がける
・相手を見て、心を込める
・健康であること

この4つです!

美しい言葉で話す

美しい言葉使いはとっても難しいです。
特に、最近はスマートホンの普及でコミュニケーション能力が欠けてきています。

隣にいてもメールをしたり、人との交流よりも携帯ゲームやSNSをしている時間が多くなってきています。なので、人と話すことが苦手な人も多いのではないでしょうか。

客室乗務員はお客様の前で話す仕事です。アクセントや口調などに注意して美しい日本語を話す努力が必要です。
また、言葉使いは急にできる事ではありません。日頃から、正しい言葉使いや丁寧な言葉使いができるよう心掛けていく必要があります。

魔法の言葉という本を読んだことがあります。
日頃からきれいな言葉を使っていると、自然に気持ちも穏やかになり、悪いことに巻き込まれず、上品な世界へと導かれるそうです。
必ず「お」をつけるとか。
言葉使いも仕事のうちですからね。

私は、なかなかお上品で丁寧な言葉使いができず、相当苦労しました。

お客様を心からお迎えする

接客対応をしていくにあたって、お客様を心から迎える気持ちを忘れてはいけません。
まず、会社の代表であることを自覚することです。

ポイントとしては、4つあります。

・礼儀正しく、ていねいに接する
・さわやかな笑顔を心がける
・言葉使いを正しく
・身だしなみに注意する

<お客様との対応ポイント>
・お待たせしない
・的を得た返答と行動を心がける
・機転をきかせる
・不安を抱かない

以上のことを頭に置いて、お客様一人一人と向き合っていく必要があります。
客室乗務員は会社の1人ではありますが、私は、自分の飛行機に搭乗されるお客様は全員自分のお客様だという気持ちで接していました。
そういう気持ちで、一人一人の顔を見て挨拶していました。その瞬間で、お客様の様子を読み取っていましたね。
お仕事なのか観光なのか。また、話しかけてほしいのか、話しかけてほしくないのかなど。他にもありますが、お客様を知ろうと思うことが大切です。

まとめ

自分磨きをすることがどういうことなのか分かりましたか?
接客の基本はお客様の立場に立つことです。そして、「あいさつ」「笑顔」「正しく美しい言葉使い」が大切です。学んだからと言ってできるようになるわけではありません。やはり自らが意識し、日頃から訓練していくしかありません。

最近、あるホテルに宿泊した際に、笑顔なく無愛想な対応をされ、そのホテルを選んだことをすごく後悔しました。そのホテルが嫌だと思うだけでなく、旅行自体が楽しくなくなります。せっかく良いホテルなのに、あいさつ、笑顔ができていないとお客様はこんなに不愉快な思いをするんだなと実感しました。設備が古いホテルであっても、接客が良ければ「仕方がないか」って不愉快な気持ちにはなりませんよね。やはり、また泊まりたい、他の人にも勧めたいと思える事が大切です。
たった一人の対応で、その会社のイメージを悪くします。どこの職場も同じことだと思いますが、客室乗務員は接客のプロと思われています。もちろん、お客様の多様化はあります。そこも知った上で対応できる人材が求められるのではないでしょうか。

また、働きやすい環境であることも大切です。
航空業界は恵まれた環境ではありますが、客室乗務員は女性ばかりの職場です。まあ、いろいろあります。またいつかお話ししますね。

言葉は、その一言が凶器になることもあるので、トラブルの原因となることもあります。また、逆に何とも言えない幸せな気分にさせてくれることもあります。
職場において人間関係が上手くいかずに退職する人もいるくらいなので、言葉を上手に使う事で職場環境も良くしていきたいですよね。

私自身も最近は人と接することがあまりないので、笑顔を忘れています。常に笑顔で過ごせるよう努力していきたいなと思いました。

 

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