離陸と着陸どちらが難しいのでしょうか?パイロットの旦那に聞いてみました!

ピカチュウジェット 旦那観察日記7月

みなさんは飛行機の離陸と着陸はどちらが難しいと思いますか?

旦那もたまに聞かれる事がありますが、旦那は「操作だけで言うと着陸」と答えています。
しかし、実際はどうなのでしょうか?

パイロットは訓練で何度も着陸の練習はしていますが、今でも旦那は「着陸上手くできたよ」とか「下手だった」とか毎回振り返っています。

飛行機は離陸してしまえば必ずどこかに降りなければなりません。
風の影響を受け、速度をコントロールしながら着陸していますが、決められた場所に着陸できなければ、オーバーランしたりオフランしたり、ハードランディングしたりします。

なので、パイロットの腕が求められます。

操縦的には着陸が難しいそうですが、いろんな意味で難しいのは離陸だそうです。
経験を重ねれば重ねるほど離陸の方が難しいと感じるそうです。

難しい理由は、離陸するために高速で走っているので、何か不具合が起こった場合はそのまま離陸を継続するか離陸を取り止めるかの判断を一瞬で行わないといけないからです。

着陸の場合はエンジン出力はある程度絞っていますが、離陸の場合エンジンはMAXパワーです。

着陸は、何かあったり迷うようなことがあればGo-Aroundすればいいのですが、離陸はある速度を超えてしまうとやり直しができないので、迷っている暇はありません。

さらに重量が重ければ重いほどその判断は難しくなります。

離陸は操縦桿を引けば上がれると思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、長距離国際線では離陸時には燃料もたくさん積んでいるのでとても重たいです。

たまに、なかなかあがらないなと感じた事はありませんか?
重たいので滑走路も端から端まで使って離陸しています。

飛行機は、V1スピード(離陸決心速度)というのが決まっていて、その速度以上になった場合は離陸をやめる事ができません。
滑走路内に止まれないからです。

それ以下の速度の場合は離陸を中断する事がきます。
飛行機の重量が重いと、このV1も大きくなるので、より高速領域での判断が求められるそうです。

離陸滑走している状態からの離陸中止をRTO(Reject Take Off)と言いますが、滑走路に何か落ちていたり、バードストライクしたり、他の飛行機が侵入してきたり、離陸の際に片側のエンジンにトラブルが起こったりした場合、V1速度の手前であれば離陸を中断しなければなりません。

定期的にこのような場合の訓練も行なっていますが、飛行機が離陸するまで何もない事を祈るしかないそうです。

着陸は自動でできても離陸は自動でできないという事を考えても、離陸の方が難しい判断を求められるという事だと思います。

飛行機の事故は、離陸時の3分と着陸時の8分に集中しています。
なので、航空業界では「魔の11分」と言って、パイロットはかなり真剣です。

結局、離陸も着陸もどちらも難しいという事なのでしょうね。

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