太平洋の上空では航空無線が使えないって知ってましたか?
この前、飛行機マニアさんが旦那に「太平洋の上空では航空無線はどうしているの?」と質問されました。
衛星が発達している時代なので、どこの上空を飛んでいても無線のやり取りは出来るのかと思っていましたが、出来ないんですね。
国内線で使っている無線は、正式には「VHF無線電話」というもので、VHF(Very High Frequency)は電波の波長の事です。
VHFの特性として、地上基地局から電波が直進するので間に障害物などがあったら届かないそうです。
羽田周辺の周波数が聞こえるのはせいぜい浜松くらいからだそうですが、飛行機が地上基地局から遠く離れてしまうと電波は届かないそうです。
じゃあどうしているのかと言うと、太平洋上ではHF無線電話を使用しているそうです。
HF(High Frequency)はVHFと比べて波長が長い電波です。
特性としては回り込む特性があるので太平洋上でも聞くことができますが、デメリットとして感度が悪くザーザーと雑音がひどい事があるそうです。
一昔前まではHFだけで太平洋を渡っていたそうですが、今の国際線用の飛行機は衛星電話を搭載していてCPDLCという通信手段が主流だそうです。
CPDLCとは、Controller and Pilot Data Link Communicationの略で管制官と衛星電話を通じてデータ(テキスト)でやり取りをするものです。
メリットとしては文字でのやり取りではないので間違える心配がないそうですが、デメリットとしてはVoiceのやり取りよりもデータの送受信に数分時間を要するので、タイムリーに情報が得られないそうです。
旦那は英語が苦手なので「アメリカやヨーロッパの交信は全てCPDLCが良い」と言っていましたが、洋上などの比較的暇なエリアで導入されていて、アプローチエリアなどの混雑エリアでは導入されていないそうです。
ちょっとイメージがしにくいですが、壊れたらどうするんだろうって思いませんか?
マニアさんは旦那の説明を聞いて「勉強になった」とおっしゃっていましたが、私も勉強になりました。