ATPL最終試験まで、残り数回の訓練となりました。
エアラインの訓練というものはその日その日でやる内容が大体決まっていて、ある程度何の不具合が発生するのか事前に分かっています。
そのため、その不具合に対してどのように対処するのか事前に準備(勉強)をして行き、実際にやってみてどうだったかを振り返る流れになっています。
しかし、今日はどこで何が起こるか分からないシナリオで、実運航にとても近い訓練だったそうです。
いわば、ATPL訓練の山場です❗️
教官のさじ加減でいろんなシチュエーションが設定でき、どこで何が起こるか分からない、どんなシナリオが来るのかも分からないので、この日のためにしっかり準備(勉強)を行なって行きました。
出発前のブリーフィングから行い、上空で起こった事象に対して一つ一つ対処していかなければなりません。
実際に旦那にどんな訓練だったのか聞いてみると、「いつもよりシナリオがリアルだった」と言っていました。
GPSや航法機器の故障から始まり、与圧故障、ハイドロ漏れ、アンチアイス故障、エンジン火災(しかも消えない)などてんこ盛りだったそうです😱
今までやったことがない、見たことがない不具合は無かったそうですが、故障のタイミングがいつもやっている訓練とは違ったそうです。
具体的には、長野県上空辺りで与圧が故障したそうです。
いつもは与圧が壊れるととりあえず空気がある10000ftまで降りなければなりません。
その高度は富士山の8合目あたりに相当します🗻
しかし、それは障害物がない場合の話で、日本には富士山以外にも10000ftよりも高い山がたくさんあります⛰️
その上空で与圧が故障した場合は、当然ですが10000ftに降りてはいけません。
常に、今与圧が故障したら「どこまで降りて良いのか、しっかり考えているのか」を見られています。
また、いつもの訓練では離陸滑走中にエンジン火災が発生していたのに着陸直前に発生したり、羽田へ降下中にハイドロが漏れる想定かと思ったら離陸後に漏れたり、貨物の火災が消化できなかったり、その他にも些細な故障を抱えてのFLIGHTだったそうです😱
実運航ではいつどこで不具合が発生するかなんて分からないですからね。
大切な訓練です。
お天気も羽田と成田は悪い設定ではなく、降りられるけど微妙な天候だったそうです。
風が横風でRWY34に対して若干追風で、緊急時に行くなら羽田が良いのか?成田が良いのか?どの滑走路に降りるのが一番ベストかどうかを考えさせられるような状況だったそうです。
いつも訓練時は必ず羽田と成田の天候が着陸できるギリギリの悪い設定だそうですよ。
まあ、天候が良い訓練をしても意味が無いですからね😭
実運航でそのような天候に当たるのは1年に1回あるかどうかで、その1年に1回の悪天候時にエンジンが故障して止まるという確率はかなり低いです。
エンジン故障も誰もが頻回に経験することではなく、定年までにほとんどのパイロットが一度も経験しないことの方が多いです。
しかし、エンジンファイヤーやエンジンが故障などのニュースは時々耳にしているので、いつ誰が当たってもおかしくない話です。
いつも落ち着いていると褒められる旦那は、焦らず淡々とできたそうです👏
「どんな不具合がどこで起こっても対処(チェックリストを行う)して、天気を確認して、適切な空港に行くことは一緒」「何が一番大事かを考えていると自然に優先順位を付けることができるし、結局はいつもやっている型通りの訓練が大事だ」と言っていました。
このATPLの訓練では左席の操縦に慣れることも求められていますが、上手な着陸が求められているわけではありません。
ほとんどがイレギュラー時の対応がマニュアル通りにできるかどうかが求められています。
国家資格基準です。
特に今日の訓練では「いつ何が起こっても間違った判断をせず、安全に着陸させることができるかどうか」を見られていたそうです。
この訓練が終わっても、パイロットは定期的に訓練や審査を受け続けていきます。
こうやってほぼ起こり得ないことを訓練しているので、もし実運航で何かが起きても冷静に対応できるのでしょうね👏
もし、実際に起きたら「訓練と同じようにできる」のでしょうか?
それとも、「訓練と同じようにできない」ってことになるのでしょうか?
シミュレーターと実機では操縦の感覚が違いますし、シミュレーターだと安心感があると思います。
片方のエンジン止まって緊急着陸を経験した知り合いのパイロットは「手が震えた」と話されていました。
それはそうですよね😨💦
とにかく、何があっても安全に飛行機を降ろせるパイロットになって欲しいですね!
