パイロットは視程が悪い日の着陸は大変なのでしょうか?
みなさんもお天気が悪い日に「今日は飛ぶかな?ちゃんと降りてくれるかな?」と心配した事はありませんか?
飛行機が安全に着陸ができるかどうかは、お天気次第です。
風向きや風の強さ、積雪量、視程など様々な条件がありますが、かなり細かく決められています。
まず、滑走路が見えないと着陸できません。
「最低気象条件(ランディングミニマ)」と言うのがあります。
視程が一番重要だそうですが、「滑走路視距離(RVR)」という指標を使っています。
ちょっとマニアックな話ですよね。
例えば、「RVR」が1000mであれば、パイロットは「滑走路の前方1000mを見る事ができるか」と言う事です。
空港の滑走路には「ILS(Instrument Landing System)」という装置があります。
着陸進入中の飛行機に対して電波を送り、滑走路への進入コースを指示する無線施設です。
この装置があるので、お天気が悪く視界が悪い時でも安全に滑走路の目の前まで飛行機は飛ぶ事ができるのです。
この一般的な「ILS(計器着陸システム)アプローチ」では最低の気象条件がRVR550mですが、例えば、「RVR」が300mだと滑走路に進入ができません。
このような時は天気が回復するまで上空で待機して、回復しなければ他の空港にダイバートする事もあります。
お天気が悪い日は燃料もたくさん積んでいるそうです。
「ILSアプローチ」を行う場合、「RVR」と「DH(その高さにおいて精密進入に必要な視覚目標物が見えなければ進入してはいけない高さ)」が決められています。
そこで、「CAT(カテゴリー)運航」と言うのがあります。
パイロットの人と話していると良く耳にする言葉です。
「カテゴリー(CAT)運航」は三段階あり、「CATⅠ」「CATⅡ」「CATⅢ」があります。
一般的なILSアプローチは「CATⅠ」で「RVR」が550m以上必要ですが、「CATⅡ」は「RVR」が300mあれば着陸できます。
また、「CATⅢ」は「RVR」50m以上で着陸できます。
じゃあ全部「CATⅢ」にすればいいんじゃないかと思われるかもしれませんが、「CATⅡ」や「CATⅢ」にするための装置は「CATⅠ」よりも多く、設置や整備にも予算がかかるという事で、天気が悪くなりやすい限られた空港にしか設置されていないそうです。
「CATⅢ」は機械での自動着陸が条件となっていて、必ず自動操縦で着陸(オートランディング)しなければならないそうです。
人間の操縦の限界はせいぜい「RVR」300mくらいで、「CATⅢ」のランディングの最低気象条件の「RVR」50mは人間の限界を超えていると考えられているそうです。
とは言え、機械に任せて時速300km/hくらいの速度で目の前が見えない状態で着陸するのは怖いですよね。
パイロットはお天気や空港の設備条件に合わせて日々FLIGHTしていますが、お天気が悪ければ悪いほど色んな判断をしなければならないので、やはり「お天気が悪い日の着陸は難しい」と言う事でしょう。
風が強い日の着陸より、視程が悪い日の着陸の方が難しいそうですよ!